日系カナダ人独り言ブログ

当ブログはトロント在住、日系一世カナダ人サミー・山田(48)おっさんの「独り言」です。まさに「個人日記」。1968年11月16日東京都目黒区出身(A型)・在北米30年の日系カナダ人(Canadian Citizen)・University of Toronto Woodsworth College BA History & East Asian Studies Major トロント在住(職業記者・医療関連・副職画家)・Toronto Ontario「団体」「宗教」「党派」一切無関係・「政治的」意図皆無=「事実関係」特定の「考え」が’正しい’あるいは一方だけが’間違ってる’いう気は毛頭なし。「知って」それぞれ「考えて」いただれれば本望(^_-☆Everybody!! Let's 'Ponder' or 'Contemplate' On va vous re?-chercher!Internationale!!「世界人類みな兄弟」「平和祈願」「友好共存」「戦争反対」「☆Against Racism☆」「☆Gender Equality☆」&ノーモア「ヘイト」(怨恨、涙、怒りや敵意しか生まない)Thank you very much for everything!! Ma Cher Minasan, Merci Beaucoup et Bonne Chance 

☆新しい時代☆インターネット+2019年歳末⇒『週刊金曜日』『琉球新報』『人民網・日本語版』『しんぶん赤旗』『朝鮮日報』


灼熱の東京五輪建設現場  国際人権NGOが労働環境改善を勧告
土村利夫|2019年10月31日1:00PM 東京2020オリンピックの競技場建設が進むなか、人権侵害をなくすべく活動している国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは国際建設林業労働組合連盟と共同で、同NPOが作成した報告書「猛暑のオリンピック建設現場 灼熱の過酷な労働環境」をもとに、建設現場における危険な過剰労働の実態を説明する記者会見を10月3日に東京都内で実施した。報告書では、東京オリンピック・パラリンピックは持続可能なオリンピックを標榜しているが、建設関連で2018年末までに2人の労働者が死亡しており、今後、建設完成を前に一段と過酷な労働環境を余儀なくされると指摘している。報告書は19年8月2日の現地モニタリングの結果を中心にまとめたものだ。今年8月の東京の平均気温は28・4度、最高気温は平均32・8度だった。東京都内では熱中症で救急搬送される人が相次ぐなか、炎天下で作業する労働者の作業環境の過酷さを指摘した。自転車競技場となる「有明アーバンスポーツパーク」建設現場近くの有明テニスの森駅では、午前10時17分の気温は32度、湿度75パーセント、体感温度は43度に達し、建設現場では多くの労働者が炎天下での作業を強いられていた。「有明アリーナ」(仮称)の労働環境はさらに過酷である。気温は31度強、湿度88パーセント、体感温度45度以上に達していた。現場では外国人労働者も従事しており、慣れない炎天下での作業で、労働災害が懸念されると指摘する。晴海の選手村も酷暑を極めており、気温33度、湿度73パーセント、体感温度45度が計測された。報告書の結びでは、今後、組織委員会、東京都、JSC(日本スポーツ振興センター)に対し、建設現場での労働者の労働安全と労働環境の改善など真摯に取り組むよう求めるなど、10項目にわたって勧告している。(土村利夫・編集部、2019年10月11日号)

『朝日』元記者裁判が結審 櫻井よしこ氏の「捏造」攻撃のウソ明らかに
中町広志|2018年7月26日10:30AM
元『朝日新聞』記者の植村隆氏が櫻井よしこ氏と新潮社らを名誉毀損で訴えた裁判が7月6日、札幌地裁で結審した。2016年4月に審理が始まってから開かれた口頭弁論は延べ12回だった。この日、植村弁護団は111ページ、8万2000字に及ぶ「最終準備書面」を提出した。同書面のハイライトは、「本人尋問によって明らかになった被告櫻井の杜撰な調査実態等」と題したパートだ。櫻井氏はどのような取材、調査、確認作業を行なって執筆したのか。植村氏への「捏造」攻撃には正当な根拠があるのか。それらを前回弁論(3月23日)の本人尋問で問い質した結果明らかになった重要な事実が、15ページにわたって詳しく列記されている。主なものを紹介すると――。▽櫻井氏は植村氏や重要な関係者の取材を一切行なっていない▽「慰安婦」だった金学順さんの「訴状」の引用の誤りを繰り返した▽金さんの記者会見の内容と「慰安婦」となった経緯も正確に把握していない▽単なる想像に基づいた記述を行ない、本人尋問にも不合理な供述内容がある▽「慰安婦」問題の講演で架空の話を作り上げた過去もある。櫻井氏は本人尋問で、誤りやミスをほとんど認めていた。同書面はそれらの発言を次々に引用しながら、「捏造」攻撃のウソを指摘し、その根拠を完全に崩した。法廷では植村氏と伊藤誠一弁護士(弁護団共同代表)が最後の意見陳述を行なった。植村氏は、「私はもう一度、大きな声で訴えたい。私は捏造記者ではありません」と力をこめ、伊藤弁護士は「被告櫻井は、ジャーナリストとして最も基本的な営為を怠ったことが明らかになった」と語った。判決は、11月9日午後3時半に同地裁で言い渡される。もうひとつの植村裁判東京訴訟も大詰めを迎えている。9月5日、植村氏、被告西岡力氏、元『週刊文春』記者の3人の尋問が終日行なわれる。(中町広志・フリー、2018年7月13日号)

森友問題、野党が鮮明画像で追及  国交相発言の嘘、動かぬ事実に
青木泰|2019年10月29日1:02PM 
森友問題での野党合同ヒアリングが10月2日に開かれた。翌々日から臨時国会が始まる、緊迫した中で持たれたヒアリングだった。「私が見ました」と、これまで真実を覆い隠していた発言の嘘が明らかになりつつあった。森友問題では値引きの根拠として国が提出した試掘写真資料の偽装を、2月4日には事業者が参議院への回答書で、同27日には国土交通省が国会の質疑で認めていた。それでも国は国交省が提出した試掘報告書の写真資料NO.1(だけ)は間違いのない事実が記載されていると主張した。石井啓一国交大臣(当時)が「私が見ました」と語り、航空局長が「工事関係者による試掘におきまして、3・8メートルの深さまで廃材等が存在することが確認され、そのことをメジャーで示した工事写真を確認した」と述べた資料である。しかし国が示した写真では、試掘穴の中は暗くて見えなかった。ごみの層が3・8メートルまであったことを証拠だてるものは石井大臣の国会答弁のみ。その真偽に注目が集まったが、入手できた同写真のデジタルデータを濃淡調整し、穴の中が見える鮮明画像にしたところ、何とごみの層が3・8メートルどころか、3メートルにも満たないことが分かった。これまでのヒアリングでは、その鮮明写真が提出され、国交省の職員は「3メートル以下に見えるか」との簡単な質問から逃げ続けていた。ついに10月2日には「会計検査院も『3メートル以下には認められない』と語っている」と追及された。質疑は時間切れとなり、国会での委員会審議に持ち越されたが、鮮明写真が示した事実からすれば国交大臣の辞任・議員辞職も不可避だ。だから再任させなかったか。一枚の写真が示すのは、ただ同然の国有財産の売却は不法だったとの事実だ。後は国会での委員会での事実解明にバトンタッチされたと言えるヒアリングであった。(青木泰・環境ジャーナリスト、2019年10月11日号)

韓国で元『朝日』記者植村隆を支援する会が発足 
文聖姫|2019年10月28日12:34PM
9月16日、ソウル西大門区にある飲食店「ハノイの朝」に、韓国の民主化実現に貢献した重鎮たちが集まり、元『朝日新聞』記者で韓国カトリック大学校客員教授の植村隆・本誌発行人を支援する会の立ち上げを宣言する集いを開いた。会の名称は「植村隆を考える会」。韓国語では「ウエムラタカシルルセンガクハヌンモイム」で、略してウセンモだ。
『ハンギョレ』創刊当時の副社長、任在慶氏、元『東亜日報』記者、李富栄・自由言論実践財団理事長、辛仁羚・元梨花女子大学校総長、咸世雄神父ら12人が呼びかけ人に名を連ねている。結成の集いの会場となった「ハノイの朝」の経営者は元漢陽大学校教授で韓国の民主化に多大な貢献をした言論人、故李泳禧氏の娘だ。会では、植村裁判闘争を支援するための募金集め、『週刊金曜日』の定期購読や広告掲載などの応援活動を繰り広げていく方向だ。16日現在で1500万ウォン(約134万円)の募金が集まった。結成の集いで挨拶した李富栄氏は、これまで日本に対して文句は言っても、韓国の人々と連帯しようとする植村さんのような日本人に関心を持ってこなかったと述べ、会の名称を「考える会」としたのも、単に応援するだけでなく、植村問題について真剣に考えようという趣旨からだと説明した。集いでは、植村も挨拶し、「『週刊金曜日』のようなリベラル雑誌を発展させていかねばならない。苦労も多かったが、発行人への就任は神がくれた『第二の言論人生活』だ」などと語った。植村は、1991年に書いた元日本軍「慰安婦」に関する2本の記事が元で右派論客らから「捏造」と攻撃された。神戸の女子大学教授への転職はダメになり、「娘を殺す」と脅迫までされた。現在、東京と札幌で「捏造」と誹謗中傷した右派論客と出版社を相手に名誉毀損訴訟を闘っている。(文聖姫・編集部、2019年10月4日号)

天皇即位パレード「祝賀御列の儀」、市民静寂のワケ
初沢亜利|2019年11月29日5:47PM
パレード終了後に見かけた東京・世田谷区から来た女性。破れて色あせた日の丸の小旗を手にしていた。小さな字で「皇太子殿下 雅子妃殿下 御結婚おめでとうございます 財団法人国民の祝日を祝う会」と書かれていた。(撮影/初沢亜利)10月22日の予定が台風被害の影響で延期された「祝賀御列の儀」が11月10日午後に行なわれた。午前9時半の青山一丁目付近には、手荷物検査に並ぶ人の列が300メートルほどできていた。話をきいてみると、北海道から九州までさまざまな地方から2人を一目見ようと駆け付けたようだった。年配者だけではなく、30代の子連れ夫妻なども多く見かけた。護憲派か改憲派か? 約20人に聞くと7割が護憲派だった。「よく分からない」と言う若者も。「天皇を崇拝する国粋主義者」との文脈で約12万人を語れそうにない。護憲派だからこそ天皇の平和を重んずる発言に心打たれる人も、この30年で増えただろう。1990(平成2)年のパレード当日には東京都内で34件のゲリラ事件があったが、今回はそうした報告は聞かない。象徴としての天皇が国民の内に定着した30年だった。12時から手荷物検査が始まったが青山一丁目付近は想像を上回る人集り。14時すぎには目測でも数千人が列を作った。このままでは手荷物検査をする前にパレードが終わってしまう。焦った警察は急遽検査要員を増やしたが、時すでに遅し。15時になると検査を取り止め後方から自由に観覧させる、という判断に切り換えてしまった。
【通過は一瞬、みな撮影に夢中】
交差点付近で待機していると、パレード1時間前に、隣でテレビ局の女性アナウンサーが中継本番用の原稿を何度も読み返していた。「両陛下が目の前にいらっしゃいました。皇后陛下の白いドレスがとても華やかです。自分の声が聞こえなくなるくらいの大きな歓声に包まれています」。すでに原稿ができていることに苦笑しつつ何時間も立ったまま静かに待ち続ける市民を眺めた。日本人の我慢強さが美徳として語られるようになったのはいつからだったか?15時過ぎ、特別仕様のオープンカーが走り去るのは一瞬の出来事だった。観客はスマホで瞬間を捉えるのに夢中。声を上げる暇はなく歓声はあまりに小さい。場の高揚感も感じられなかった。終了後も警察の指示が出るまで15分、市民は静かに沿道に立ち尽くした。聞き分けの良い日本人の姿だけが印象に残ったパレードだった。さて、令和の次世代のパレードはどうなるのか? 平成の天皇以降、市民の皇室への信頼は、人格への尊敬の念が高いウエイトを占めている。そのことが未来の皇室と国民の関係をかえって危うくさせることになるかもしれない。(初沢亜利・写真家、2019年11月15日号)




部落解放同盟、関電原発マネー報道で「差別助長」と見解
平野次郎|2019年11月27日4:04PM
関西電力の役員ら20人が高浜原発がある福井県高浜町の元助役の森山栄治氏(故人)から計約3億2000万円の金品を受け取っていた問題で、『週刊新潮』(10月10日号)と『週刊文春』(同)が、関電幹部を恐れさせた森山氏の力の背景に部落解放同盟が存在することを臭わせる記事を掲載した。これに対し解放同盟中央本部は、同和問題と結びつけることで差別を助長し問題の本質をすりかえるものだとする見解を出し、新聞や雑誌など報道各社に郵送した。『週刊新潮』の記事は「『関電』が震え上がった『高浜原発のドン』呪縛の核心」というタイトル。本文で「森山さんは部落解放同盟の力を笠に着て、役場でも出世していきました」との共産党町議の言葉を引用し「関電幹部が彼との関係悪化をおそれて金品を返せなかった理由が、ここにある」とする。『週刊文春』は「関電“京大閥”が利用した“原発のドン”の正体」のタイトル。森山氏が「人権団体を率いて、差別をなくす“糾弾活動”の名目で恐怖政治を敷き」と同じ町議の言葉を引用し、当時、女性教師が差別発言をしたとして森山氏らに糾弾され教員を辞めたという話を紹介している。両誌が発売された10月3日ごろからインターネット上では「同和のドン」「本質は同和」などの差別的書き込みが拡散し、高浜町にも差別的電話などが後を絶たない。解放同盟の見解は「コメント」として10月7日ホームページと21日付『解放新聞』に掲載された。森山氏について、1970年に結成された解放同盟福井県連合会と同高浜支部の書記長を兼任したが2年後に解任されており、それ以降は森山氏の問題に同盟は一切関与していないとする。森山氏をならず者呼ばわりするために被差別部落出身者であり解放同盟の関係者であるとし、「部落は怖い」との予断や偏見を利用していると批判。「事件の本質を遠のかせてしまうことになる」と述べている。(平野次郎・フリーライター、2019年11月15日号)




米ワシントン近郊に「少女像」設置
2019年11月25日6:50PM
米国の首都ワシントンD.C.近郊のバージニア州アナンデールで10月27日午後、新たに設置された「慰安婦」を象徴する「平和の少女像」(以下、「少女像」)の除幕式が行なわれた。アナンデールはコリアン系住民が多く住む「コリアンタウン」とも呼ばれる地域で、ワシントン地区最古の韓国系英字新聞社『コリア・タイムズ』などが入る商業ビル前の土地に設置された。「少女像」としては、カリフォルニア州グレンデール、ジョージア州ブルックヘイヴンなどに続き、米国で5体目となり、「慰安婦」を記念する碑や像も含めると、米国では合計14の碑や像が作られたことになる。バージニア州内では、フェアファックス郡の公有地に市民団体「ワシントン慰安婦問題連合」(WCCW)が2014年に設置した碑に続き、二つ目の関連の碑や像だ。今回の除幕式は、コリアン系米国人による三つの団体に属する市民が中心となり結成された「平和の少女像実行委員会」が主催したもの。実行委は、3年間の苦労の後にようやく像が設置されたと強調した。像は16年11月に、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協、当時)とイソル化粧品が、ワシントンへの設置を願い、コリアン系米国人コミュニティに寄贈したものだ。同年12月には実行委を構成する団体の一つ「ワシントン希望の蝶(ナビD.C.)」が像を歓迎する集会を開いたが、その後、設置場所探しが困難を極めた。17年3月には、ワシントン近郊のメリーランド州の州立大学であるソールズベリー大学に設置が予定されていたが、除幕式の数日前に大学側が設置を取り消した。碑や像の設置が急遽キャンセルされたり、場所探しが困難を極める事例はこれまで、米国やカナダ、オーストラリア、ドイツなどでも起きてきた。背景には、日本政府による「歴史戦」の一環としての、設置を阻止しようとする圧力がある。さらに、日系企業からの反対、日本の姉妹都市、右翼勢力からの抗議が殺到するなどの事態も起きており、「官民一体」での設置反対や撤去に向けての活動が行なわれてきた。たとえばミシガン州サウスフィールドの「少女像」は、決まりかけていた市図書館前への設置案が13年に突然キャンセルになり、その後も公有地への設置を目指して近隣の市や大学、博物館などに呼びかけて探したが見つけることができず、14年に私有地に設置された。シカゴ地域での像設置計画は、場所が見つからないため、現在に至るまで像は4年間も倉庫に入ったままだ。今回設置された「少女像」も、3年もの間、倉庫に置かれていたが、ある地権者が設置場所を提供したことで日の目を見ることとなった。本来はワシントンD.C.内への設置を目指していたので、今回の設置場所はベストではなかったと実行委共同代表で、WCCWの代表でもあるジュンシル・リーさんはいう。だが、除幕式には数多くの韓国や日本のメディアが集まり、郊外の私有地への設置とは思えないほどの報道があった。そして、ワシントン地域のみならず、フロリダ、テキサスやシカゴなど他地域からも運動関係者が駆けつけた。韓国からは、元「慰安婦」で平和運動家の吉元玉(キル・ウォノク)さんや、「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」の尹美香(ユン・ミヒャン)理事長も参加。吉さんは除幕されると満面の笑みを浮かべ、像に歩み寄り、隣の椅子に座った。若い世代の参加も目立ち、地元のコリアン系米国人が歌、音楽や踊りなどのパフォーマンスも行なった。式にはこのほか、バージニア州のジャスティン・フェアファックス副知事をはじめ、州議会議員や郡政府関係者らも出席。同州のラルフ・ノーサム知事や、マイク・ホンダ元連邦下院議員も祝辞を寄せた。私有地への像の設置であっても幹線道路沿いの目立つ場所であることに加え、特派員が多く、政治家との繋がりも強いワシントンという土地柄を最大限に生かした除幕式だった。1990年代初頭から「慰安婦」問題に関わり続け、下院決議121号(日本政府に「慰安婦」への謝罪を求めるもの、2007年)を通すなどさまざまな成果を上げてきたワシントンの市民運動の歴史も反映されていた。加えて、私有地の像設置にも圧力をかける日本政府の昨今の動きが、逆に私有地への設置にも注目を集めさせ、大きな効果を持った側面もあるだろう。前出のリー共同代表によれば、今後もワシントンD.C.で像の設置を目指していくという。日本のメディアでは、像の設置が日韓関係にさらなる悪影響を与えかねないなどパターン化された報道が多かったが、像の設置は、あくまでもコリアン系米国人を中心とする米国市民の動きだ。日本政府による妨害を乗り越えて設置に至った過程で、さまざまな世代の市民が連帯し、「慰安婦」問題解決への思いを共有したことで運動も勢いづいたことが、参加者らの様子からも伝わってきた。日本政府が妨害し、歴史の事実を否定する限り、今後も「慰安婦」の像や碑は米国各地に作られ続けていくことだろう。(山口智美・米モンタナ州立大学准教授、2019年11月8日号)



強制連行犠牲者を「靴」で追悼  東京で日中合同の集い
薄井崇友|2019年12月26日4:00PM
芝公園に、強制労働犠牲者6830人を悼む布靴が並べられた。(撮影/薄井崇友)戦時中に中国から日本へ強制連行され、劣悪な環境で労働を強いられ亡くなった犠牲者を追悼する日中合同の集いが11月19日、東京都港区の芝公園23号地で開かれた。会場では、遺族が死者に靴(布靴)を履かせて弔う中国の風習にちなみ、両国の国民が犠牲者の人数と同じ数の靴を並べた。第2次大戦末期、日本は労働力不足を補うために4万人におよぶ中国人を強制連行し、全国135カ所の港湾や鉱山の過酷労働に従事させた。日本政府・外務省の報告書では、このうち6830人が死亡したとされている。この異郷で倒れた犠牲者は、死後に靴を履くことすら叶わなかったのだ。
【友好こそが真の供養だ】
この集いは10年ぶり2回目で、日中友好の活動を続ける市民団体が開催した。今年は強制連行され死亡した人たちの遺骨が秋田県の花岡鉱山で発掘されてから70年になる節目で、中国から靴を運び遺族50人が来日した。日本人と合計で約100人が犠牲者を偲び平和と友好を願い参列した。僧侶を先頭に遺族らが遺影などを掲げ、芝公園周辺を行進(庭儀)してから追悼の集いは始まった。献花・僧侶の勤行・黙とう・主催者挨拶につづき、来日した遺族代表が挨拶した。日本からも複数の市民団体の代表らがマイクを持ち、日本が負うべき歴史的責任や日中平和友好の想いを訴えた。遺族の1人は「日本政府は忌まわしい過去の歴史を認めつぐなう必要がある。しかし、この友好の10年もまた私たちの歴史だ。今後も友好の歴史を続け10年後に第3回を開催したい」と話した。日中両国の国民が共同で「靴並べ」をする友好こそが被害者への真の供養なのだ。この友好を推し進めなければならない。(薄井崇友・フォトジャーナリスト、2019年12月6日号)

首相、「ポスト安倍」候補に言及 岸田、茂木、菅、加藤氏
2019年12月27日 17:53 
安倍晋三首相は27日のBSテレ東の番組収録で、自身の後を狙う「ポスト安倍」候補を列挙した。自民党の岸田文雄政調会長、茂木敏充外相、菅義偉官房長官、加藤勝信厚生労働相の順に名前を出し、それぞれの経験や実績にも触れた。首相は現在、自民党総裁連続3期目で、任期は2021年9月まで。 首相は、世論調査などで人気の高い自民党の石破茂元幹事長には言及しなかった。番組司会者から石破氏に関して問われると「大変勉強熱心で、チャレンジ精神にあふれた方だ」と答えた。 党内には、首相の総裁連続4選に期待感もある。首相は収録で「全く考えていない」と重ねて否定した。

「普天間の危険性除去につながらない」 辺野古工期12年で玉城知事 膨大な工費にも疑問 2019年12月26日 16:4米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を巡り政府が事業完了までに約12年、工費の見積もりを9300億円と示したことについて、玉城デニー知事は26日、報道各社の新春インタビューで「膨大な予算を投じても、辺野古移設が普天間飛行場の早期の危険性除去につながらないということだ」と語った。普天間飛行場を抱える宜野湾市と連携し、辺野古移設と切り離して速やかな危険性除去を政府に求める考えを示した。 国の資料などから辺野古新基地建設の工期が「13年以上掛かる」と指摘してきたことを上げ、「政府自身が認めざるを得なくなった。政府は普天間飛行場の危険性を除去する必要があるとして辺野古移設の必要性を説明していた。(辺野古移設の)根拠や必要性が失われたことになる」と指摘した。膨大な予算を投じた上で、早期の返還につながらない辺野古移設事業を政府が続けることについて「国民の理解を得られるのか。国会での議論を注視したい」と期待した。【琉球新報電子版】

中日韓サミット 相互信頼を回復し協力を増進
人民網日本語版 2019年12月26日14:45
第8回中日韓サミットが24日に四川省成都で開催された。李克強総理は韓国の文在寅大統領、日本の安倍晋三首相と中日韓協力及び地域・国際問題について意見交換。サミットは「次の10年に向けた3か国協力に関するビジョン」を発表し、「中日韓+X」早期収穫プロジェクトリスト等の成果文書を採択した。アナリストによると、3カ国協力はすでに共同発展実現の重要なプラットフォームとなっている。中日韓協力が顕著な成果を得たのは、3カ国の持つ重要な共通責任、積極的な協力意思、強固な経済的結びつき、良好な民意の基礎のおかげだ。今回の中日韓サミットは中日韓が3カ国協力を通じて各々の二国間協力を推進するのに役立ち、共通認識を形成して政治的相互信頼の不足を補うのに役立ち、協力促進のために最大公約数を形成した。

■中日韓が結集して最大公約数を形成
第8回中日韓サミットは実務的、率直、効率的で、実り豊かな成果を挙げた。商務部(商務省)研究院対外貿易研究所の竺彩華副所長は「心と力の結集」という言葉で、今回のサミットを総括する。「心の結集の面では、中日間、中韓間、日韓間の協力は、これまで二国間関係の問題による影響を比較的多く受け、経済分野の3カ国協力の進展を遅らせてきた。今回のサミット開催は中日韓が3カ国協力を通じて各々の二国間協力を推進する助けとなり、共通認識を形成して政治分野での3カ国の相互信頼不足を補う助けとなった。国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長率予測を繰り返し下方修正する中、現在保護貿易主義と一国主義の台頭が東アジア地域に比較的大きな打撃を与えるだけでなく、世界経済にも比較的大きな影響をもたらしている。こうした中、中日韓3カ国が一堂に会し、『次の10年に向けた3か国協力に関するビジョン』を共同発表したことは、3カ国が開かれた協力という潮流を提唱していることの具体的表れであり、開かれた世界経済の構築のために人々の心を結集するものである。力の結集の面では、2018年に中日韓の経済は世界全体の24%を占め、すでにEU全体を上回った。中日韓の協力及び統合の発展をリードする趨勢は、グローバル化の発展をリードするパワーと見なすことができる」。国際貿易投資研究所研究主幹の江原規由氏は「経済面では3カ国は世界経済の領域において独特な補完性を備える。もし日中韓3カ国の経済協力が一層強化されれば、人材資源、高度精密技術、及び巨大市場の適用性にはまだ大きな余地がある」と指摘。「日中韓は世界経済のリード、特に貢献力及び未来の発展の潜在力がいずれも多大で、期待に値する。3カ国間には調整の必要な利害関係が各々ある。これも歴史的要因と関係がある。今回の日中韓サミットで3カ国の首脳は一堂に会し、協力促進のために最大公約数を形成した。例えば省エネ・環境保護、少子高齢化、第三国市場交流、青少年交流等の分野に新たな発展のチャンスが生じた。多元的で高度な東アジア文明を構築する必要のある今日において、世界経済のために巨大なエネルギーを貢献する中国は3カ国関係の改善、発展、及び調整のいずれにおいても非常に重要な役割を演じている」とする。
■中日韓FTA交渉を加速、世界経済の統合を促進
世界経済の下押し圧力が増大し、保護貿易主義と一国主義が台頭する現在、中日韓は一段と協力を強化し、貿易・投資協力水準を高め、地域と世界の平和・安定・繁栄に新たな貢献をする必要がある。中国外交学院元副院長の江瑞平氏は「今年11月のASEAN関連首脳会議の開催過程において、中国、日本、韓国、オーストラリア、シンガポール、インド等16カ国はRCEPの推進において著しい進展を得た。だが数日後、インド側が約束を反故にし、RCEPの第1期成果には加わらないかも知れなくなった。その後、日本側も『インドが参加できないのであれば、日本も離脱する』との姿勢を表明した。15カ国のRCEPが予定通り2020年に署名できるか否か、重大な試練に直面している。今回の中日韓サミットは、3カ国が共同で2020年のRCEP署名を推進することを明確にした。これは今回のサミットの重大な成果だ」とする。対外経済貿易大学の庄芮教授は「中日韓にとって最も重要なのは実務的協力の姿勢に基づき、開放的な段階またはモデルにおいて、柔軟な方法を講じ、小異を残して大同につく姿勢に基づき、枠組において合意し、具体的な問題において柔軟な手段を取ることだ。第1に、中日韓FTA交渉の枠組で排除リストをまとめ、関係する問題を棚上げし、過渡期方式を採用して処理し、段階的に交渉を行なうことができる。第2に、中国―ASEAN自由貿易地域モデルを参考に、枠組合意をまとめた後、関係する交渉を段階的に行なうことができる。地域協力の視点から見ると、中国は巨大な市場があり、日韓にとって多大な魅力がある。中国は引き続き制度的開放、ルールの開放、及び良好なビジネス環境を利用して、世界市場に対する中国の魅力を高め、さらに多くのパートナーを参加へと引きつけ、互恵・ウィンウィンの局面を切り開いていく」とする。(編集NA)「人民網日本語版」2019年12月26日

安倍政権7年 私物化極まる「桜」疑惑
 2012年12月末の総選挙で安倍政権が復帰してから26日で丸7年。安倍晋三首相の在任日数は憲政史上最長を更新中ですが、首相主催の「桜を見る会」私物化疑惑が深まり、安倍首相の求心力は急速に低下しています。この中で、野党が安倍政権に代わる連合政権づくりへの話し合いを始めることがいっそう重要となっています。民主主義無視
 世論調査で、安倍内閣支持率が急落し、不支持が支持を逆転しはじめ、政権内では、桜を見る会疑惑が直撃したと衝撃が走っています。「公文書の適切な管理は、民主主義を支える基盤だという考えがまったく無視されている。これが安倍政権の致命的な欠陥だ」。こう指摘するのは、独協大学の右崎正博名誉教授です。右崎氏は、安倍政権が来年の桜を見る会を中止し、招待基準などを検証するとしている点についても、「見直しの元となる招待者名簿を廃棄しておいて、どうやって検証するのか」と批判。行政の公正性を覆す事態が安倍政権のもとで続出する原因として、官邸による官僚統制の仕組みをあげ、「国民ではなく、官邸の方ばかりに目を向ける官僚が増えてきてしまった。招待者名簿の廃棄は、その弊害がモロにあらわれたものだと思う」と述べました。与党が首相出席の予算委員会開催を拒否し続けていることにも批判が強まっています。駒沢大学の大山礼子教授は「与党も本来は、議会人であるはずだ。議会人感覚が『ゼロ』であってはいけない。与党が安倍首相を隠すために一生懸命になればなるほど、議会人としての国民の信頼を失う」と指摘。「憲法を持つ国として当たり前すぎることが壊されている」と危機感をあらわにしました。結束する野党一方、野党は、安倍政権によって壊された民主主義の基盤を立て直そうと「『桜を見る会』追及本部」を結成。真相究明に一体で取り組んできました。立憲民主党の関係者の一人は「今度の国会で野党共闘の局面も変わった」と指摘。疑惑追及の突破口を開いた日本共産党の参加について、「共産党の調査力、組織力、歴史と継続性の力を無視できないし、求めざるを得なくなった。実際に、一体的追及の力が証明された」と語ります。
安倍政権に代わる政権の姿 今こそ
安倍政権は、特定秘密保護法や「共謀罪」法をはじめ、違憲立法を次々と強行。戦争法=安保法制を強行し、立憲主義を破壊してきました。安倍政権のもとで壊された民主主義・立憲主義・平和主義を回復させるためにも、野党が結束して安倍政権に代わりうる野党連合政権の姿を有権者に示せるかどうかが今、試されています。新たな局面に 安倍政権が強行した戦争法に反対する市民の声に呼応して、日本共産党の志位和夫委員長が「戦争法廃止の国民連合政府」を提唱したのが2015年9月。それから4年間、野党は16年の参院選、17年の総選挙、そして19年の参院選と3回の国政選挙を共闘の力でたたかい、大きな前進を果たしてきました。その前進は、全国の首長選挙でも力を発揮しています。今年に入っては、埼玉県知事選に続き、岩手県知事選でも、野党が統一候補を立てて、与党候補を追い詰め、勝利するたたかいを展開。高知県知事選では、日本共産党の松本顕治氏が野党統一候補となり、大健闘するなど、野党共闘は新たな局面に入りつつあります。元自民党で建設相だった中村喜四郎衆院議員(無所属)は、松本氏の勝利をめざす総決起集会(11月2日)に駆けつけ、こうあいさつしました。「新潟県では社民党の人をみんなで担いだ。岩手県では自由党の人を担いだ。埼玉県では民主党の人を担いだ。高知県では共産党の人を担ぐ。『共産党だから駄目だ』とか、『共産党は応援できない』という考え方を持っていたから自民党が強い時代が今まで続いてしまった」「共産党が勝ったら奇跡が起こる。この奇跡を今後の総選挙、参院選につなげていこう」実際、高知県知事選では、「オール野党」でたたかう体制がつくられ、全国から野党各党の党首をはじめ55人を超える国会議員が応援に来県。共産党の候補を野党が一致して支援する取り組みが生まれました。
前進積み重ね
ただ、野党が総選挙で、「政治を変える」決意の本気度を有権者に示すためには、連合政権づくりへの話し合いを始めることが不可欠です。早稲田大学の小原隆治教授は、野党候補が小選挙区で勝ち抜くためには、野党間での本格的な選挙協力が必要だとして、「選挙協力をさらにすすめるには同時並行して税財政含め連合政権の協議に正面から取り組むしかないし、連合政権の協議なしに安倍政権は倒せない」と指摘します。 日本共産党の志位和夫委員長は今年8月の党創立97周年記念講演会で、野党連合政権に向けた話し合いの開始を呼びかけ。これまでに立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、社民党の又市征治党首、れいわ新選組の山本太郎代表と会談してきました。12月15日に会談した枝野氏とは、「安倍政権を倒し、政権を代え、立憲主義を取り戻す」と確認するなど、野党連合政権の実現へ向け、一歩一歩重要な前進を積み上げています。
改憲への執念
一方、安倍晋三首相は、自民党総裁任期が21年9月に迫るなか、改憲論議がまったく進まないことへの焦りを募らせています。安倍首相は、臨時国会閉会を受けての記者会見(9日)で、「憲法改正というのは、決してたやすい道ではないが、必ずや、私自身の手でなし遂げたい」と述べ、改憲への執念を強くアピール。こうした安倍首相の動きについて、独協大学の右崎正博名誉教授は「安倍首相が改憲の旗を降ろしたら、安倍政権は一気に倒れる。だから、安倍首相は改憲の旗を降ろすわけにはいかないのだろうが、改憲を政権の延命のために利用するなど到底許されない」と指摘します。消費税10%増税強行で消費不況は深刻さを増すなか、「経済最優先」も「アベノミクス」も国民的に完全に色あせています。「外交の安倍」の押し出しも、米ロ中への3方向の屈従外交の連続で全く説得力を失っています。安倍首相にとって、改憲だけが「アピール」できるスローガンになっているのです。右崎氏は「改憲問題にケリをつけるためにも、『安倍政権にノー』の声を突き付けて、政権交代をはかることが必要だ」と強調します。行き詰まる安倍自民党政治を転換するためには、野党共闘が政局を主導する力を示すことが決定的な意味を持つ局面がやってきています。(佐藤高志、日隈広志)


南京大虐殺から82年、平和を守り続ける生存者たち発信時間:2019-12-06 13:43:03
侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館(南京大虐殺紀念館)が発表した情報によると、南京大虐殺の生存者である胡信佳さんが今月4日に亡くなった。享年95歳。南京侵華日軍受害者援助協会に登録されている生存者は79人のみになった。今年は南京大虐殺82周年で、12月13日は6回目となる南京大虐殺犠牲者国家追悼日だ。時が流れ、あの虐殺から生き残った人はすでに80・90代になっている。歴史を前にして彼らは身を局外に置くことができなかったが、苦難が過ぎ去った後にいかに過去と向き合うかは、未来の方向を決める。 生存者の夏淑琴さんの経験は凄惨だ。虐殺発生当時、彼女はわずか8歳だった。家族9人のうち7人が日本軍によって残酷に殺害された。この痛ましい記憶を背負いながら、夏さんはその生涯をかけ歴史の真相のため各地を奔走した。彼女は1994年に日本を訪れ、初めて日本で南京大虐殺の訴訟を起こした生存者になった。夏さんは2006年に日本の右翼作家から「ニセ証人」と侮辱され、日本の名誉毀損訴訟で全勝した。夏さんは南京大虐殺を研究する有名学者である松岡環氏ら日本の友好関係者と知り合い、彼らと共に歴史の真相を伝え、世界の平和を促進するため努力を続けた。

南京大虐殺の1万665人目の犠牲者を確認 「嘆きの壁」に名前が加わる
人民網日本語版 2019年11月30日14:01
中国侵略日本軍南京大虐殺遇難同胞紀念館は11月29日、微信(WeChat)の公式アカウントで、「当館は最近、周万栄さんが南京大虐殺の犠牲者だったことを新たに確認した」と伝えた。同日午前、犠牲者の名前が表記されている同紀念館内の「嘆きの壁」に周さんの名前が刻まれた。これで、名前が表記されている犠牲者は1万665人となった。中国新聞網が報じた。事件当時まだ10歳だった周さんの娘・陶秀華さん(旧名・周成■、■は女へんに弟)によると、1937年12月14日早朝、旧日本軍の兵士4‐5人が銃を持って家の近くに来て、父親の周さんら4‐5人が見つかってしまい、連れ去られた。陶さんは、5歳だった妹と泣きながら、熱河路から▲江門(▲はてへんに邑)まで追いかけたものの、兵士らに銃を使って追い返されたという。陶さんが周さんを目にしたのはそれが最後だったという。紀念館は公式アカウントで、「82年が過ぎ、周さんの生前の写真を手に入れることはできておらず、彼の姿を知ることはもうできないものの、彼と、彼が経験した災難を私たちが忘れることはない」と綴っている。(編集KN)「人民網日本語版」2019年11月30日

【コラム】韓国史の教科書がこんなことになっているのをご存じですか 記事入力 : 2019/12/29 19:00
「子どもたちは何の選択権もなく、学校が決めた教科書1冊で勉強します。このようにやるのが、韓国史教育の多様性ですか?」 韓国政府の検定を通過して来年3月から高校の教室で使われる韓国史の教科書8種類が、大韓民国のアイデンティティーや経済発展を成し遂げた産業化の過程などは縮小し、民主化の過程ばかりを過度に強調している-という本紙の報道がなされると、ソウルのある高校の校長は、このように語った。この校長は「来年に子どもたちが学ぶ教科書8種類が、一様に『韓国は恥ずかしい国』と言っている」と語った。本紙が分析した教科書8種類では、韓国の暗い過去が主に扱われていた。光復後の米軍政は軍隊と警察を動員して南を接収し、李承晩(イ・スンマン)大統領は「井邑発言」(南側の単独政府であっても先に樹立しようという主張)で分断の原因をこちら側が提供した、と主張する。これに反してソ連軍は北朝鮮の自治勢力を認め、間接統治したと記述した。「北朝鮮は自主的で、韓国は屈従的」という屈辱感を与える。また6・25戦争後、韓国は米国に依存してようやく戦後復興に成功したが、北朝鮮は国家が主導する強力な社会主義経済運動で戦後復興に乗り出したと記述している。海外で「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展の模様も同様だ。目覚ましい経済発展は労働者弾圧と国民の犠牲によって実現したもので、それによる政経癒着と不正腐敗、二極化の問題を過度に浮き彫りにしている。4・19革命(1960年。李承晩大統領が失脚)や5・18民主化運動(1980年の光州事件)、6月抗争(1987年)など韓国の民主化史における主な事件もまた、過度に刺激的な写真を載せている。パク・セミ社会政策部記者 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
 このように韓国の過去およそ50年の歴史に厳しい物差しを当てがうのであれば、3代世襲や住民弾圧、経済破綻などでもっと大きな失策を犯した北朝鮮に対しては、さらに厳しい評価を下し、指摘せねばならないのは常識だ。しかし、そうはしなかった。北朝鮮の政権は国際的孤立の中でも「自立経済」と「社会主義経済建設」を推進してきたとして、とりわけ金正恩(キム・ジョンウン)政権は「強盛国家建設」を模索している-と記述した。北朝鮮の核開発については「それに伴う国際的な経済制裁を受けた」くらいの記述にとどまり、それが韓半島の平和にもたらす脅威や緊張の悪化といった難点はきちんと書かなかった。韓国民族史の輝ける場面や誇らしさを教え、試行錯誤や誤りを顧みる教科書を見つけることはできなかった。三国時代や統一新羅時代、高麗時代、朝鮮王朝時代を大幅に縮小したことで、子どもたちがきちんと接するのは難しくなった。現代史の部分は、国民を弾圧する政府、労働者を苦しめる悪徳企業の話でいっぱいだ。こんな教科書で歴史を学んで育った生徒たちが目にする韓国社会は、憤怒と憎悪、被害意識、羞恥に満ちたものになることは避けられないだろう。パク・セミ社会政策部記者 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版









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