日系カナダ人独り言ブログ

当ブログはトロント在住、日系一世カナダ人サミー・山田(48)おっさんの「独り言」です。まさに「個人日記」。1968年11月16日東京都目黒区出身(A型)・在北米30年の日系カナダ人(Canadian Citizen)・University of Toronto Woodsworth College BA History & East Asian Studies Major トロント在住(職業記者・医療関連・副職画家)・Toronto Ontario「団体」「宗教」「党派」一切無関係・「政治的」意図皆無=「事実関係」特定の「考え」が’正しい’あるいは一方だけが’間違ってる’いう気は毛頭なし。「知って」それぞれ「考えて」いただれれば本望(^_-☆Everybody!! Let's 'Ponder' or 'Contemplate' On va vous re?-chercher!Internationale!!「世界人類みな兄弟」「平和祈願」「友好共存」「戦争反対」「☆Against Racism☆」「☆Gender Equality☆」&ノーモア「ヘイト」(怨恨、涙、怒りや敵意しか生まない)Thank you very much for everything!! Ma Cher Minasan, Merci Beaucoup et Bonne Chance 

《貧困なるザ「我が国」精神》泡沫世代데카당스(Décadence)퇴폐파(頹廢派)Генерация пузыря버블 세대『短編ルポ集』Satoshi Kamata鎌田 慧/Katsuichi Honda本多 勝一①

Decadence데카당스(Décadence)는 퇴당파(頹唐派)·퇴폐파(頹廢派)デカダンスДекаданс(フランス語: décadenceDekadenzとは、退廃的なことである。特に文化史上で、19世紀末に既成のキリスト教的価値観に懐疑的で、芸術至上主義的な立場の一派に対して使われる。

Українськаウクライナ語→Сатоші Камата鎌田 慧 (Satoshi Kamata(青森県出身), 12 червня 1938 [1] -) — японський репортажист. Радник університету Шуле.

Françaisフランス語→The Two Beats était un manzai composé des humoristes Takeshi Kitano et Nirō Kaneko.
III 1980年12月-1981年7月
                   残酷ギャグの時代
漫才ブーム、だそうである。チャンネルをひねれば、たいがい、とてつもない早口でしゃべりまくる若いコンビが、ブラウン管からとびだしてくる。ツービート、B&B,セントルイス、紳介竜介、エトセテラ、小学生たちのアイドルである。もはや中年、のわたしがみて、さして面白いものではない。舞台では棒立ち、漫才特有の「間」や空間のひろがりが感じられるわけではない。かすかに記憶に残るエンタツ・アチャコ、そんな昔でないにしても、やすし・きよしのとぼけた雰囲気ともちがう。漫才は、相方の体験や思想をこきおろしながら、観客とともにあたらしい世界を切りひらいていく芸ともいえるが、さいきんは、台本作家のストーリーによらず、ギャグや駄洒落を連発して笑いをつくりだす。それも相方の出身地やカッペ(田舎者)や弱いものへの悪罵をくりかえして、観客にカタルシスを与える、というのが特徴のようだ。その典型がツービートである。

①Yokoyama Entatsu(横山 エンタツ(兵庫県出身), April 22, 1896 - March 21, 1971)②Hanabishi Achako (花菱 アチャコ(福井県出身), July 10, 1897 - July 25, 1974 )
*カタルシス카타르시스(古希: κάθαρσις, 古代ギリシア語ラテン翻字: katharsis, 英: catharsisКатарсисとは、哲学および心理学において精神の「浄化」を意味する。アリストテレスが著書『詩学』中の悲劇論に、「悲劇が観客の心に怖れ(ポボス)と憐れみ(エレオス)の感情を呼び起こすことで精神を浄化する効果」として書き著して以降使われるようになったが、アリストテレス自身は演劇学用語として使った。
「赤信号 みんなで渡ればこわくない」「気をつけよう ブスが痴漢を待っている」「ひどいブス たかった銀バエ即死する」
①ブス - 容姿や体裁が劣ることを指す侮蔑的な日本の俗語Buss(ugly)-A derogatory Japanese slang term that refers to poor look and appearance②不細工(ぶさいく)又はブスとは、外見及び内面性の印象や体裁が醜い様や劣る様を指すBusaiku or buss refers to the fugure and internal impression and appearance of being ugly or inferior.
テレビでうけたギャグが新聞広告のコピーとなる。そして、ベストセラーがつくりだされる。『ツービートのわッ毒ガスだ』85万部、『ツービートの遺言 もはやこれまで』33万部、しめて、118万部、発売から半年間の成績である。(「Kベストセラーズ」のはなし)。


漫才ブームといっても、漫才界全般のブームのことではない。一部の、それも残酷ギャクを売りものにした「残酷漫才」の流行である。
流行には、当然、大衆社会が投影されている、とすると、そこでうけるギャグから大衆心理を覗きこむことできる。わたしは、前記二章ともう一冊、『B&Bの仁義なき戦い』を購入して読んでみた。率直にいって、面白いものではない。不快感さえ残る、しかし、これらの本はベストセラーなのである。

*Deutschドイツ語→B & B ist eine japanische Comic - Kombination. Yoshichi Shimada島田洋七 (Yoshichi Shimada , 10. Februar 1950- ) aus Hiroshima City , Präfektur Hiroshima(広島県出身), ist der Name des Duos, das seine Gefährten viermal wechselte.Yohachi Shimada島田洋八(岡山県出身)
『わッ毒ガスだ』には、「ばからしいバカの見本」という章がある。この本では、交通標語のもじりや、ブスや、おばあさんへの悪口がカタログ風に並べられているのだが、ここでのバカの基準が、きわめて上昇志向的な価値判断によっているのが、まず鼻につく。
○電車にタクアンを持って乗ってくるバカ ○平気で公衆便所にしゃがめるバカ ○酔っぱらうと、肩を組んで軍歌をうたう、もと二等兵のバカ ○家族の遺影を持って、デモ行進したり、公開番組の客席にすわっているバカ ○ラーメン屋でビールをたのむバカ ○電気鉛筆削りがあるのに、子供にナイフで削らせているバカ
ごくふつうの、庶民の生活である。それが攻撃されているのである。そして、最後が、○たかが漫才師のいったことに、腹をたてているバカ 
というものである。売りものの弱いもののいびりについてテレビ局へ苦情をいってくるものにたいするひらき直りである。たしかに、たかが漫才である。わたしも「たかが漫才」にこだわるバカのひとりである。
ブスをテーマにした、「ツービートのブス法18箇条」にあらわれた、ツービートの思想を検討してみよう。
第1条 ブスは半年に一回、かならず、保健所で、検査を受けなければならない。
第3条 ブスは、毎年、別に、ブス税を納めなければならない。
第5条 ブスは、皇居から半径10メートル以内に入ってはならない。
第9条 ブスを使って、見せ物興業をおこなったり、ブス廻しなどをおこなう場合は、警察の許可を受けなければならない。
第10条 ブスは、それ以上、ひどくならないように、毎年、春と秋の二回、ブスワクチンの投与を受けなければならない。その際、登録して、鑑札をもらうこと。
第11条 警察は、無鑑札のブスを捕らえるために、ブスホイホイを設置できる。逃げた場合は、ピストルを使用することができる。
第14条 ブスには、原則として、選挙権はあたえない。
第17条 ブスは、死んだら、強制的に解剖される。
第18条 以下の条文に違反した場合は、ただちに死刑だ!わかったか!バカヤロー!ブス!オエーッ!
まあ、ざっとこんなもんである。美醜の感覚には個人差がはなはだしく、その価値観は多様化しているので、「ブス」そのものについては、それを連発するものの品性が気になるにしても、ここでは問題にしない。わたしが気になるのは、笑いを強化するための道具だてとして、保健所、税務署、警察、ピストル使用、皇居(!)、鑑札、選挙権、行政解剖、死刑(裁判所)などと国家権力とその制度が無批判的に使用されている、その価値観についてである。これらは批判や笑いの対象にされることがあったとしても、その力を背景にして、笑いを押しつけるべきものではけっしてない。左翼運動から転進した長沖一や秋田実などの漫才作家をひきあいにだすまでもなく、落語などをふくめて、大衆芸能の笑いとは、目の上のものや権威や権力をひきずりおろす価値観の転倒をひとつの源泉としていたはずである。ツービートの新しさとは、それを再転倒させたことにある。
①보건소(保健所, public health center 또는 community health center)②일본의 세무서(일본어: 税務署 제이무쇼Tax Office)③Die Japanische Polizei (jap. 日本の警察, Nihon no keisatsu)④Пистоле́т (фр. pistoletピストル ← фр. pistole от чеш. píšťala «пищаль, дудка»)⑤Der Kaiserpalast Tokio (japanisch 皇居, Kōkyo, wörtl. „Kaiserliche Residenz“)⑥Charter鑑札Kansatsuー許可・登録・免許などを行った証として、官公庁が発行する札A tag issued by a government agency as a proof of permission, registration, license⑦Suffrage参政権(選挙権)Droit de vote⑧Administrative anatomy行政解剖⑨사형(死刑, 영어: capital punishment, death penalty) 또는 극형(極刑), 생명형(生命刑)⑩国家权力 power of the state或管治权(德語:Staatsgewalt)
*Deutschドイツ語→Makoto Nagaoki 長沖一(Nagaoki Makoto(大阪府出身), 30. Januar 1904 - 5. August 1976 ) ist ein japanischer Manzai - Autor , Regisseur und Rundfunkautor.
*Esperantoエスペラント語→Minoru Akita秋田実 (Akita Minoru(大阪府出身), la 15 -an de julio 1905 - la 27-an de oktobro 1977 ) estas japana manzai verkisto.
たしかに、これまでも、ハゲやデブやドモリや身体障害者にたいする差別がふくまれていたことを認めないわけではない。しかし、それでも、それを国家機関の力によって強化しようとした例がこれまであったであろうか。
たとえば、ツービートの場合、有名人をこきおろす方法にしても、タモリや研ナオコの例にあるように、その身体的特徴を捉えて冷笑しているのが多い。
タモリ 診断=片目失明、全治不能、処置=長谷川きよしになぐさめてもらう。
研ナオコ 診断=ブス性疾患魚眼性目ばなれ症。先天的で、10万人に1人という難病である。処置=左右の目と目のあいだに、もうひとつ目をつくる。

*Españolスペイン語→Tamori (タモリ?), seudónimo de Kazuyoshi Morita (森田 一義?) (Fukuoka(福岡県出身), 22 de agosto de 1945) es un humorista y presentador de televisión japonés.

*Naoko Ken (研 ナオコ,(静岡県出身)Ken Naoko) (born July 7, 1953) is a Japanese singer and actress.She is well known for her comedy roles featuring idiosyncratic looks, and a string of successful torch songs that gained popularity in the late 1970s and early 1980s.
など、「移植手術」による解決でオチをつける例が多い。山下清(脳細胞)、おすぎとピーコ(馬のポコチン)などである。また、寺山修司については、「陰険性のぞき症と思われる。常習性があり、中毒症状に移行する恐れがある」とやっつけ、B&Bもまた、「あの人、ノゾキの世界のスーパースターやで」とやっている。しかし、寺山事件についていうなら、夜の散歩を逮捕した警察とそれを書きたてた新聞をこそ、笑いの対象とすべき性質のものである。警察の判断をそのままおしつける笑いのつくり方は、権力への追従笑いの強制というべきものである。
ツービートは、ブスとおばあさんのふたつを攻撃目標としてスターの座についた。おばあさんをバカにするのは、別に彼らの特許ではなく、これまでに毒蝮三太夫もやっていたが、しかし、彼はそれでも、直接、舞台のうえから「ばあさん」と対決し、バカにする自分をバカにしながら、おなじ場で一緒に笑いあう芸を身につけていた。ところが、ツービートの笑いでは、はじめからコミュニケーションを切り捨てているのである。
*Tagalogタガログ語→Si Sandayu Dokumamushi (毒蝮三太夫(大阪府出身)Dokumamushi Sandayū) (31 Marso 1936 - ) ay isang artista sa bansang Hapon.

*Srpskohrvatski / српскохрватскиセルビア・クロアチア語→Shūji Terayama (japanski: 寺山 修司(青森県出身); Hirosaki, 10. prosinca 1935. – Tokijo, 4. svibnja 1983.) je bio japanski avangardni pjesnik, dramatičar, pisac, filmski režiser i fotograf kojega kritika i pobornici smatraju jednim od najproduktivnijih i najprovokativnijih japanskih umjetnika.
おばあちゃんを裸にして、仰向けに寝かせよう。くっきりと、あばら骨がみえるはずだ。そのあばら骨を使い、木琴演奏ならぬ、あばら骨演奏をするのです。それでも、トンカチで、たたくたびに、ポキッ!ポキーッと、骨の折れる音が、軽快なリズムを鳴らしてくれるのだ。おばあさんの悲鳴が、なんともいえないサウンドをかもし出し、心がなごむこと間違いナシ! 
「残酷漫才」といわれるようになったのは、このような、おばあちゃんにたいしての、「殺す」「骨を折る」「捨てる」などの露骨な表現によってであるが、わたしには、そのどこが面白いのかさっぱり理解できない。こんなのもある。
「日本中の中気の年寄りを一ヶ所に集め、全員にうちわを持たせ、風車に風を送らせて風力発電をおこなう」
とりわけ、わたしが理解できないのは、職業への攻撃である。たとえば、こうである。
キャリア・ウーマン 売れ残りのオールドミスをこう呼ぶと、たいへん喜ぶ。たいてい在社10年以上で、お茶くみしかできないくせに、お茶くみをいやがる。すぐにキーッ!とするヒステリーで、職場のガン、鼻つまみがこれ。
看護(師) お手伝いさん・女教師・団地妻とシノギを削るエロ映画の大スター。一見トルコ(現ソープ)嬢。
バス・ガイド 大場久美子じゃあるまいし、生理不順の代表。くり返し、同じことをしゃべる人間テープレコーダー。修学旅行ではしゃぐカッペのアイドル。
*Bahasa Indonesiaインドネシア語→Kumiko Ohba (大場 久美子 Ōba Kumiko(埼玉県出身), lahir 6 Januari 1960) adalah seorang aktris, penyanyi, dan konselor psikologis Jepang yang diwakili oleh Office Keiko.
女工員 結婚詐欺師の絶好のカモ。夜間高校中退、原宿族の狂い咲き。意外と派手好みが多いんだよな。
笑いは、たしかに優越感によって導きだされる。社会的に身分が高いとされている政治家や銀行家や医者や、あるいは長屋の世界での大家さんが、顧客の前でぶざまな姿をさらけだされる。あるいはまた、弱者をひきずりだして優越感をくすぐることもあろう。前者は攻撃的な哄笑をまきおこす。してやったり、である。後者はわたしの趣味ではない。しかし、それでも、たとえ乞食が笑いとばされることがあったにしても、それはあくまでも歩けないはずの乞食が、突然馬脚をあらわして逃げだす一瞬においてである。ところが、ここでは、きわめて保守的な職業への差別観が、そのまま笑いのネタにされているのである。労働者が、その職業によって軽蔑される時代を、わたしは好きになれない。
テレビで、若い漫才コンビをみていると、わたしはインベーダーゲームをおもい起こす。息つく暇もなく攻撃し、けたたましい音響をだす。あのコンピューターゲームを、である。ピンク・レディーの動きもそうだったが、なにか産業ロボットの人間化、いや人間のロボット化というようにみえていた。それでも、とにかく118万部の売り上げである。

*Українськаウクライナ語→Space Invaders (англ. Космічні загарбники) 《스페이스 인베이더》— відеогра для аркадних ігрових автоматів, розроблена Тосіхіро Нісікадо у 1978 році. Вперше гра була випущена в Японії, в 1978 р.

*Polskiポーランド語⇒Pink Lady (ピンク・レディー Pinku Redī) 핑크 레이디– japoński dziewczęcy duet muzyczny, popularny w latach 70. do wczesnych lat 80. W skład grupy wchodzą Mitsuyo Nemoto („Mie”静岡県出身)네모토 미츠요(根本美鶴代) oraz Keiko Masuda („Kei”静岡県出身) 마스다 케이코(増田恵子). W USA dały się poznać w 1980 w NBC-TV poprzez program Pink Lady and Jeff. Koncert oficjalnie kończący ich karierę odbył się 26 i 27 marca 2005 roku.
わたしは、国立演芸場にでかけて、まず、マネージャーに会ってみた。30代前半の、分析的なひとで、率直で、好感をもてた。彼によれば、あれだけの大ベストセラーをつくっても、プロダクションには一銭もはいってこない、とのことだった。せいぜい売れても2,3万部、そのくらいの印税なら、気前のいいとこをみせて、全額本人にやろう、といってしまった。とのことである。それが思いがけない118万部である。喜劇的な誤算だった。
*印税Royaltyロイヤルティー로열티RedevanceいんぜいRoyaltyscopyright royalties Ро́ялтиとは、著作物を複製して販売等する者(出版社、レコード会社、放送局など)が、発行部数や販売部数に応じて著作権者に支払う著作権使用料のことをいう通称である。もとは著作権使用料と引き換えた著者検印紙から印紙税になぞらえて印税と呼ばれるようになったが、政府に納める税金ではない(後述)。通常、印税に相当する額が販売額に上乗せされる。発行部数などによらずに一度だけ著作者に支払われる著作権使用料は、原稿料と呼ばれる。
どうして、残酷漫才がうけるんでしょうね。開演まぎわのロビーで、マネージャー氏にわたしはきいた。彼は、あっさり答えた。
「みんな中流意識が強くなって、幸せなんだ、と思っている。それぞれ優越感をもっているから、すこしくらい悪くいわれても、腹をたてなくなったんですよ」衣食たって残酷ブームである。
「いまの漫才師は、みんなツービート風になってきていますよ」。残酷漫才が市民権をえた、ということであろう。
「政治家をいじめても、面白くないでしょう。その前へいけばみんな甘い汁にありつこうとする。それを漫才師だけに攻撃させようとするのはムシがいいですよ。ブスならブスとホンネをいう。それに寝たきり老人ならだれでもいやでしょう。それが、若いひとたちにウケるんです」
その日は、在主名人劇場とかで、若いカップルが目立っていた。それぞれの服装はあか抜けていて、若い男は三つ揃いのスーツ。女はワンピース。場内は「中流」で満員だったので、わたしは、ロビーのソファーから隅のテレビで、円鏡の高座をみていた。演し物は『寝床』。義太夫好きの大家さんが、いやがる店子たちを集めて、下手な義太夫をうなる噺だ。
*Françaisフランス語→①Le gidayū-bushi (義太夫節?) est un style narratif du théâtre de marionnettes bunraku, créé par ②Takemoto Gidayū (1651-1714, 竹本義太夫), qui fusionne la déclamation vigoureuse du katarimono (語り物) et l'élément mélodique du utaimono (歌い物 ou 歌物)
「この前の会のときだ。義太夫聞いて帰ってくると、大熱だよ。医者がどう調べてもわからない。『なんか心当たりはありませんか』『義太夫聞きましてからこの熱です』『じゃ、義太熱だ』『道理で節々が痛てえ』てン・・・」
わたしは笑った。そばに座っていたマネージャー風の男が、連れにぼやいていた。
「さいきんは、ここで笑わねえんだよな」たしかに、このとき会場から笑い声はきこえてこなかったのだ。ツービートは、テレビの水戸黄門や遠山の金さんをこきおろして笑わせていた。
「あんなヨボヨボじじじが、毎週、あっちこっち歩けるわけがないだろう」
わたしは「水戸黄門」が嫌いなので笑った。その日は、残酷漫才ではなかったようだ。彼らも変ってきているのが感じられた。出番がすんで、空いている楽屋でツービートに会った。北野たけし、32歳、兼子きよし、31歳。しゃべるのは、もっぱら突っ込み役のたけしの方で、きよしはかしこまって黙っていた。

*Mito Kōmon (水戸黄門) is a Japanese jidaigeki or period drama that was on prime-time television from 1969 to 2011, making it the longest-running jidaigeki in Japanese television history. The title character is the historic Tokugawa Mitsukuni, former vice-shōgun and retired second daimyō of the Mito Domain. 
*Tōyama no Kin-san (遠山の金さん) is a popular character based on the historical Tōyama Kagemoto, a samurai and official of the Tokugawa shogunate during the Edo period of Japanese history.

*Eestiエストニア語→Takeshi Kitano (jaapani keeles 北野 武 Kitano Takeshi(東京都出身); sündinud 18. jaanuaril 1947 Tōkyōs, Adachis) on jaapani filmilavastaja, filminäitleja, stsenarist, saatejuht, koomik, kirjanik ja kunstnik. Väljaspool filmilavastusi tuntud enamasti kui Beat Takeshi (ビートたけし Bīto Takeshi).
*Françaisフランス語→Nirō Kaneko (兼子 二郎, Kaneko Nirō?), également connu sous le pseudonyme de Beat Kiyoshi (ビートきよし, Bīto Kiyoshi?), est un acteur et humoriste japonais, né le 31 décembre 1949 à Mogami dans la préfecture de Yamagata(山形県出身) au Japon.
ー落ち目だそうですね。「何人生き残れますか」ー『もはやこれまで』は、落ち目を売りものにして、また人気を盛りあげようという作戦ですか。「いや、あれはホンネですよ」たいがい、漫才師はまっとうすぎる答えをするものだ。「ネタは尽きるし、やっている自分がいちばんあきる。標語ばっかりやらされて、あきてしまった。これから、どう違う方へ走るか、そればっかり」と、体の大きなたけしは、ちいさい声でぼやいた。その日の昼のNHKで、彼らの師匠である松鶴家千代若が「バタバタしては長もちしない」と忠告し、相方の千代菊が「あれじゃ漫才といえませんね」と批判していたのをわたしはみていた。「どう思うの」とわたしはきいた。
*松鶴家千代若Matsuzuru Chiyowaka ・千代菊Chiyokiku(しょかくや ちよわか・ちよきく)は昭和初期〜平成期に活躍した夫婦漫才コンビ。生前は落語芸術協会所属。出囃子は「菖蒲浴衣」。
たけしは、ちょっと反発した表情になった。
「もう、背広着て、キミ、ボク、なにをいうんねん、の漫才の時代じゃないでしょう」-8年前からコンビを組んでいて、さいきんになってウケるようになったのは、どうして?「まえは、ギャクがきつくて、テレビでいえなかった。テレビ局が甘くなったからです」-どうして、テレビ局が甘くなったの?「ウケるからですよ」-なるほど、時代が変わったということか。
「はじめたころと、ギャグのパターンは変わってないんですよ。みんなが歌にあきてきたし、笑いの新鮮さにひかれてきた。コロンビア・トップ・ライトColumbia Top&Lightのように、政治にかみつくのはくだらないですよ」-ほうどうして?「本人はカネがあるのくせに、庶民の味方面して」ように、政治にかみつくのはくだらないです
*Esperantoエスペラント語→Aozora Ichimon青空一門 estas grupo de bildstrioj , kantistoj kaj moderigaĵoj kun la pinto de Columbia Top Light.
阿刀田高さんが、ブラックユーモアだ、といってほめてますね。「阿刀田さんのは面白くない。買ってません」
*Deutschドイツ語→Takashi Atōda (japanisch 阿刀田 高, Atōda Takashi(東京都出身); * 13. Januar 1935 in Tokio) ist ein japanischer Schriftsteller, der von 2007 bis 2011 Vorsitzender des japanischen P.E.N.-Zentrums war.
ーそれじゃ、なにが面白いの?「竹村健一さんだね。彼は自分でバカになっているからね」-しかし、きみたちののも、たんなる常識の裏返しで、ぼくにはさっぱり面白くない、批評性はあまりないし、それに弱いものイビリには不快感を感じるんだ。
*Lietuviųリトアニア語→Kenichi Takemura竹村 健一 (Takemura Kenichi(大阪府出身), 1930 m. < Showa 5> balandžio 7 d.  – 2019 m. < Reiwa 1 m.> Liepos 8 d. ) – japonų žurnalistas ir politikos apžvalgininkas. 1989 metais gavo 5-ąjį „ Seirono “ Didįjį prizą「正論」大賞受賞.
「それは、その人の生きてきた環境によるでしょう。体質でしょう。そんなのいっさい関知しない。不快感があるのはしょうがない。一緒に笑うのは、客ですからね」-キミは、とわたしは黙ってうつむいているきよしの方をむいた。キミは、自動車の修理工出身で、油まみれになってやってきて、それで、バスの車掌や自分のまわりにいたひとたちをバカにしていて、どう思うの?
「ビジネスですよ」と、彼は、こっちの眼をみて答えた。たけしがひきとった。
「あの本はぼくが書いたんですよ」きよしには責任がない、ということであろう。-ファンはどんな層ですか。
「中、高校生。それに大学生のとろいやつら。日本人の笑いのレベルは、あんなもんでしょう」-どうして、老人をイビるの?「たんなるギャグですよ。おばあさんが走るとおかしいでしょう。それだけ。簡単な理由ですよ。でも、もうあきてきた。さいきんはやってませんよ。漫才は芸じゃない。苦節何十年ナンテ、もう・・・」
-漫才って、なに?「アジテート、だと思います」-ほう、なんにたいする?「劇場のなかの、客へのアジ。ウケないのは、客がとろいってことですよ」
ーこれから、どうなると思いますか。「ブームに火をつけたのはおいらです。土台をつくった。そこをはいのぼっている奴らがきて、追い抜かれるとダメになる。新しいネタをめっけなければおわり。どこへ行こうか、悩んでます。来年は漫才は横すべりでしょう。未開発の漫談か、芝居の座をつくるかも。食っていかなければいけないしね」ー印税がはいるから心配ないでしょう。これは冗談のつもりだったが、たけしは、やはりまじめに答えた。
「ほとんどが税金ですからね」-批判がいろいろくるでしょう。「大学講師とか、”有識者”の批判はよくわかんないですよ。みんな助平心はあるし、悪の要素はあるはずでしょう。それを隠すのはくだらん。それを目の前に露呈させてやりたい」
劇画。ナンセンス小説。インベーダーゲーム。そして情勢を細分化したカタログ雑誌ブーム。その土壌から毒ガス「残酷漫才」がたちのぼっているのがわかった。彼らの攻撃はタテマエ、偽善社会へのイライラにむけられている。しかし、それは断片化された情報の裏返しでしかない。分断された人間と人間は結びつけようとせず、さらに遮断するだけで、その根源にさかのぼろうとしない。
カァーラースゥ、なぜ鳴くの カラスの勝手でしょう
バカウケのこのギャグがそれをよく示している。事実が因果関係から断ち切られ、それでひらき直り、それ以上のことを理解しようとしない。渡辺昇一の社会福祉への攻撃や竹村健一の体制的価値観の押しつけ、江藤淳の戦後の常識への挑戦、さだまさしの古い価値観への回帰。その大合唱に依拠しながら、ツービートは、彼らなりに常識(戦後民主主義)の裏返しをおこなう。敬老精神、福祉、職業の貴賎や差別問題の撤廃。それらは現実的にタテマエだけになっているので、攻撃されるともろい。だから、偽善にヘキヘキしているヤング世代にウケる。「弱者救済」から「強者是認」へ。タライの水と一緒に嬰児が流れかかっている。ツービートの価値基準はウケるものがすべてなのである。なぜなら、それが漫才師としての処世術であり、ビジネスだからである。タテマエになってしまった根ッコをけっしてみつめようとはしない。「カラスの勝手」なのである。すこしきつめにいえば、こうして、大衆の劣情にむけてのアジテーションは成立する。
Françaisフランス語⇒Shōichi Watanabe (渡部 昇一,(山形県出身)Watanabe Shōichi?), né le 15 octobre 1930 à Tsuruoka (préfecture de Yamagata) et mort le 17 avril 20171, est un universitaire japonais et l'un des plus éminents critiques culturels du Japon.
*Deutschドイツ語⇒Jun Etō (japanisch 江藤 淳(東京都出身)Etō Jun, eigentlich: Egashira Atsuo (江頭 淳夫); * 25. Dezember 1932; † 21. Juli 1999) war ein japanischer Literaturkritiker.
*Masashi Sada (さだ まさし(長崎県出身)Sada Masashi, born 10 April 1952) is a Japanese singer, lyricist, composer, novelist, actor, and a film producer.
ツービートは、まじめに、そして率直に語った。わたしは、好感をもちながらも、彼らの小心さとひらき直りに苛立ちを感じた。彼らがスターの座にのしあがったのは、常識を裏返しにした体制的常識そのものを、カタログとしての標語にしたことによってである。手袋の裏もまた手袋でしかない。
この大ベストセラーを生みだした「KKベストさラーズ」の印刷編集長は、売れた理由について、こう語っている。
「パロディは理屈ですが、ブラックギャグは感覚的なものです。短いものだから、小学生でも簡単にマネできる」*Bestsellers Co., Ltd. (KK Bestsellers) is a Japanese publishing company.
銀座のバーで、ツービートのギャグを面白がっていたある流行作家に、本の推薦文を依頼したところ、自分の読者のイメージを損ねる、との理由でことわられた、とのことである。これもまた、タテマエとホンネの乖離である。
常識社会の強化を肌で感じとっている子供たちは、価値を転倒させたギャグへの欲求が強い。身近なところでのおしつけモラルを逆転させた標語を、真っ先に受けいれたのは小、中学生たちだった。
わたしは、現実を変わりようも、変えようもないものとして受けいれ、強いものは強いものとして認め、諦め、無力となり、ウップン晴らしが自分より弱いものだけにむけられ、それがうまくいったときだけ拍手喝采するようになるものを、悪い時代だと考える。
ツービートの「残酷ギャグ」は、その時代の気分を敏感に反映している。それは、もう一度、ちがった方向にむけて逆転させなければならない。
ファシズムみんなで進めばこわくない
そんな常識がはびこらないためにも。

①Feb 15, 2013 — 欧米ではビートたけしは時代おくれ?Is Beat Takeshi out of date in Europe and America?「同性婚が認められたら、そのうち動物との結婚も認められるようになったりねIf same-sex marriage is approved, then marriage with animals will be permitted soon」②Jan 4, 2019 —ビートたけしが年末特番で差別用語を使った酷いLGBT差別を連発! これでなぜ問題にならないのかBeat Takeshi, c'est une émission spéciale de fin d'année, et une série de terribles discriminations LGBT utilisant des termes discriminatoires ! Pourquoi cela n'a pas d'importance③Jul 27, 2021 —【悲報】ビートたけしさん、水球女子に対する侮辱発言がネット上で批判殺到[Sad news] Mr. Beat Takeshi, insulting remarks against water polo girls are flooded with criticism on the net.

①Oct 31, 2016 — 松本人志の「ブスなOL」発言に批判「会社だったら確実にセクハラCriticism of Hitoshi Matsumoto's "busu(ugly) office lady" remark "Sexual harassment surely if it is a company"」10月30日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、ダウンタウン・松本人志が「ブスなOL」という発言をしたことから女性たちの批判を集めているIn the "Wide na Show" (Fuji TV series) broadcast on October 30, downtown Hitoshi Matsumoto has been criticized by women for saying "a ugly office lady."②2016/10/30『君の名は。』を見た松本人志「100億超えるにはブスなOL巻き込まなアカンな」と発言"Your name. Hitoshi Matsumoto said, "In order to exceed 10 billion yen, you have to involve a busu(ugly) OL."③Jun 4, 2019 —川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ! 過去にも同じ発言、社会や弱者への決定的な想像力の欠如Kawasaki murder case "defective product" remarks are the essence of Hitoshi Matsumoto! Same remarks in the past, lack of decisive imagination for society and the vulnerable

Беларускаяベラルーシ語→Кацуічы Хонда本多 勝一(Katsuichi Honda(長野県出身), 1932 [Заўвага 1] 28 студзеня ) — японскі пісьменнік Ён былы рэпарцёрАсахі Сімбун.

                蛙(かえる)のツラに拡声器
日本人諸君!たとえば東京駅とか新宿駅のホームに立って、そこで放送される拡声器の巨大音量を聞いてみられよ。次いで、両耳を両手でおさえて、それも指でうんとかたく耳穴を押して、耳が痛くなるくらい力いっぱい押しつけ、つまりこれ以上不可能なまでに音を遮断してみられよ。
*Polskiポーランド語⇒Dworzec Tōkyō (jap. 東京駅 Tōkyō-eki) – jeden z ważniejszych dworców kolejowych na terenie aglomeracji tokijskiej.
*Русскийロシア語⇒Станция Синдзюку (яп. 新宿駅 Синдзюку-эки) — железнодорожная станция, расположенная в специальных районах Синдзюку и Сибуя японской столицы Токио.
いかがですか。それでもなんでも、拡声器からの巨大音量は侵入してきて聞こえてしまうはずだ。
どうか「常識的」かつ「普通に」考えていただきたい。拡声器は難聴の人を基準にして暴力的音量にしているのだろうか。これはどうみても過剰音量であり、定義としての「騒音」であろう。耳センていどで防ぎきれるものではない。
だが、この狂気じみた音量そのものよりも、これを狂気・拡声器公害と感じる人が日本に少ないらしいことこそ本質的問題なのだ。日本の会社に就職し、日本人女性と結婚したあるオーストラリア人は、これが原因のひとつとなってついに日本定住をあきらめ、オーストラリアに引揚げていった。(なるほど音の暴力によって「外人」排斥・追放をやるのも、この騒音鈍感民族にあっては有効かもしれない。=注1)げんに見よ、あの無茶苦茶な拡声器暴力に制圧されていながら、みんな平然としているではないか。1人として耳をおさえたり耳センをとりだしたりしないではないか。この鈍感なツラー蛙のツラに水、日本人のツラに拡声器公害、簡略化すれば「蛙のツラに拡声器」-をみれば、あのオーストラリア人の絶望も深く理解できるのである。

①オーストラリア連邦(オーストラリアれんぽう、英: Commonwealth of Australia)、通称オーストラリア(英: Australia)は、オセアニアOceaniaに位置し、オーストラリア大陸本土、LutruwitaタスマニアTasmania(The Apple Isle/Holiday Isle)及び多数の小島から成る連邦立憲君主制国家。首都はキャンベラCanberra。最大の都市はシドニーSydney②Српски / srpskiセルビア語→Аустралијанци или Аустралциオーストラリア人(енгл. Australians) се дефинишу као људи коју су поријеклом из Аустралије или ту бораве.
そのような暴力的放送を電車内でやる鉄道も少なくない。代表的一例は小田急である。いかにこのことを注意しても<注2>なおす気配はないので、こうして悪口雑言を投げつけるのだが、隣りを走る京王線は小田急と対照的だ。適度の音量にしぼる車掌が、小田急では一割くらいしかいないのに、京王では九割ほどだろうか。なぜこんなに違うのだろう。鉄道職員の質なのか民度なのか。はたまたその両方か。
*Nederlandsオランダ語⇒De Odawara-lijn (小田急小田原線, Odakyū-Odawara-sen) is een spoorlijn tussen de steden Shinjuku en Odawara in Japan. 【個人体験記録Personal experience record①】92年頃、電線工事のアルバイトをしていた頃(新宿乗換え高座渋谷駅)通勤時のホームそして車内における「バカ声」「怒鳴りちらし」ぶりには連日悩まされた(よみがえった)Around 1992, when I was working part-time as an electric wire engineer (at Koza-Shibuya Station when I changed trains at Shinjuku), I was annoyed every day by the silly voices and yelling on the platform and in the train when I was commuting (revived).Richmond Hill, ON Weather Sat, Jan 14, 12:55 p.m.-8°C FEELS LIKE -15 ここ2~3日また(新雪に覆われ)寒いIt's been cold again for the last couple of days (covered with fresh snow)
*The Keio Line (京王線, Keiō-sen) is a 37.9-km railway line in western Tokyo, Japan, owned by the private railway operator Keio Corporation.【②】幸い、「京王線」上のザ「我が国」人生だったので救われましたFortunately, I was saved because it was the "our country" life on the "Keio Line"(小田急の”横綱”級「がなりたて」に比べれば、”十両”くらいかCompared to Odakyu's "Yokozuna" class "Ganaritate(Screaming)", it is about "juryo"(例の’全国共通’「指示」調(お節介?)放送はともあれAside from the usual 'common across the country' "instructions"  tone(meddlesome?) broadcast)マシだったit was better笑)いずれにせよ、もの音ひとつしない真冬のカナダにおけるこの静かな休日Either way, this quiet holiday in midwinter Canada without a single sound(おもむくところ、どこでもあふれかえる「巨大音量」Wherever I go, a "huge volume" that overflows everywhere平然としている「大日本人」たち"BIG MAN JAPAN" who are calm)オーストラリア人男性の気持が、痛いほどよく分かるI know how Australian man feel painfully well(ただし「18歳」で出国するまでは、それが’当たり前’だったのであまり不思議には思わなかったけどHowever, until I left the country at the age of 18, it was 'natural' so I didn't think it was too strange)。        2023/01/14 Canada
小田急沿線住民の不幸は拡声器公害にとどまらぬ。小田急はいま、複々と線化を「高架」でやるか「地下」にするかでもめている。小田急の計画のように高架にすれば、沿線住民の「不幸な人生」は一層ひどくなるので、jy風民は地下を求めている。この問題は改めてとりあげる予定だが。基本的には小田急と絶縁し、住民を株主とする新しい地下鉄を並行して別につくることを提案したい。(鉄道の新設事業など張り子のトラだ。市民が団結すればかんたんにできる。問題は「やろう」とするか否だ。それだけである。)
<注1>このオーストラリア人については拙著『貧困なる精神・A集』(朝日新聞社)収録の「騒音に鈍感すぎないか」参照。
<注2>拙著『貧困なる精神・J集』(朝日新聞社)収録の「小田急という”世界最悪”の鉄道」参照。
(『サンデー毎日』1993年7月4日号)
                                                                まだ食事中!
東京の大ホテルの大食堂で、あの「黒田ジャーナル」の黒田清氏と会食中のことである。何の料理か忘れたが、要するに皿に盛るなにかの洋食だった。私たちは話しながら箸(フォークか)を休めてはいたが、食べ終ったわけではなかった。
*Kiyoshi Kuroda( 黒田清(大阪府出身)February 15, 1931 - July 23, 2000 ) is a Japanese journalist and former Yomiuri Shimbun reporter.
給仕係の青年が来て、黒田氏に「おさげしてよろしいでしょうか」と、しかも言い終わらぬうちに、皿に手をかけた。
「まだ!」と黒田氏はほとんど叫んだ。-「まだ食うてんがな!」
黒田氏は色をなして怒った。そうだ。実に躾の悪い給仕係だ。食事中くらいゆったりした気分にさせておいてくれよ。途中で片づけるよう当方が指示したのならばともかく、まだ残っているうちに、何たる鈍感・無礼な男だろう。
だが、客の側にもいくばかの責任がある場合がある。このように途中であっても、給仕が運びに来たらいさぎよく(?)あきらめてしまう変な奴がいるのだ。「まだ」などというのは格好よくない。あるいは気恥ずかしいと思っているある種の人々が、たしかにいる。貧困なる精神、馬鹿げた「武士は食わぬど」精神。こういう変な奴が、給仕の鈍感・無礼を助長させているのではなかろうか。それにしても、こんな大ホテルの大レストランで、給仕の躾はどうなっているのだろう。途中でも下げていいときは、フォークやナイフなどをそろえて皿の上におく、といった客の”信号”は、常識ではなかったのか。(こんな洋式の「常識」など、客は知らなくても一向にかまわぬが、給仕は知っているべきでだろう。)そんな信号もなければ閉店時間でもないのに途中で片づけようというのは、給仕が早く帰りたいのか。追いだして客の回転を多くしたいのか。このときは空席だらけだったから「回転」も無関係だが、結局は問題に尽きるのであろう。
そして、こんなとき断固として叱りとばす黒田氏の態度は、さすが大阪人ーと言えるのかどうかはともかく、立派である。プロ精神のない、かつ支配人の教育のゆきとどかぬこうした給仕はちかごろ珍しくないので、皆さんも「あきらめてしまう変な奴」にならずに、黒田氏に学ぶようにしませんか。躾やら礼儀やら慣習やらを変えるのは絶望的に困難だけど、この態度を見て学ぶ人がネズミ算的にふえるなら、たとえば日本人の騒音鈍感症を直すよりは恐ろしくやさしいと思う。
それから一ヶ月もたたぬある日、やはり東京のあるビジネス・ホテルの食堂で会食中のことである。やはりまだ終っていないのに、やはり給仕が来て、やはり「おさげしてよろしいでしょうか」と、やはり言い終わらぬうちに皿に手をかけた。
「まだ!」と私はほとんど叫んだ。-「まだ食べとるじゃんかな!」(伊那谷弁)
(『噂の真相』1993年9月号)
*Deutschドイツ語⇒Das Ina-Becken (jap. 伊那盆地, Ina-bonchi), Ina-Tal (伊那谷, Ina-dani) oder Ina-Ebene (伊那平, Ina-daira) ist ein Becken im Zentrum der Japanischen Alpen in der Präfektur Nagano auf der japanischen Hauptinsel Honshū.

Slovenščinaスロベニア語⇒Šinkansen新幹線 je mreža visokohitrostnega železniškega omrežja na Japonskem. Z visokohitrostnimi vlaki in omrežjem operirajo štiri družbe skupine Japan Railways Group.
               植民地化した「新幹線」車内放送
新幹線に乗って、イギリス語の車内放送の発音が以前より植民地化していることに気付いた。
もともと日本国内の列車で、外国人専用車でもないのにイギリス語を放送する必要など認め難い。日本語のわからぬ人は車掌などに聞けばいいのだ。げんにローカル線やバスに乗った外国人はそうしているではないか。日本語が話せなくとも、旅行くらいなんとかできる。日本人が初めて南米へ行って、スペイン語が話せなくてもなんとか旅行はできるのと同じである。それに、どこであれその国に行ったら片言でもその国の言葉を勉強することだ。
で、新幹線の放送は、英米人らしい女性のイギリス語放送なのだが、そのなかで発音される日本の固有名詞、たとえば秋葉原・近鉄線・品川・山陰線・・・などが、たしか数年前まで「日本語」だったのに、今は「英語」になってしまっているではないか。
つまりこういうことだ。以前の放送は、同じ英米人らしい女性でも、固有名詞の、たとえば「品川」は「シナガワ」、秋葉原は「アキハバラ」等々と、要するに日本語としての正しい音韻と日本式アクセント(高低アクセント)で発音されていた。ところが現在の放送は、品川を「シヌワ」(太字にアクセント)近鉄を「キンツ」、秋葉原を「アキブラ」、山陰を「ニン」というように、イギリス語式の音韻と強弱アクセントで発音しているのである。
何たる誇り低き植民地鉄道か。これで外国人が山陰を「二ン」と覚えて、そのまま日本人に聞いても通じないことがあるだろう。
もう40年近くも前になるが、たしか桑原武夫の本で、名古屋のことを「ネゴヤ」式に発音するアメリカ兵向けイギリス語車内放送に腹を立てている随筆を読んだことがある。そう思って桑原武夫の古い本をいくつか繰ってみたけれど見つからない。前述の「数年前まで」の新幹線の車内イギリス語放送は、新幹線が走りだしたころ以来のものだ。したがって「走り始め」のときこれを聞いて、桑原武夫のあの随筆を思いだし、「ああ、『ネゴヤ』式でなくて進歩したな」と思った。
*Françaisフランス語→Kuwabara Takeo (桑原 武夫); né le 10 mai 1904 à Tsuruga préfecture de Fukui(福井県出身) et décédé le 10 avril 1988, est un théoricien de la littérature et traducteur japonais.
その「進歩」した車内イギリス語放送が、またしても植民地的発音へと「退歩」してしまった。これはどういうことか。
いや、退歩よりもっと悪い。40年近く前は、占領軍(米軍)がデカい顔をして支配していた戦後および朝鮮戦争時代の延長であって、「ネゴヤ」式の家畜人的植民地風景も仕方がなかったかもしれない。だが今回は、「アメリカ帝国主義」や「言語帝国主義」「白人至上主義」による押しつけなど全然ないはずなのに、自らすすんで家畜人化したのである。(『噂の真相』1993年11月号)
*Русскийロシア語⇒Оккупация Японии союзными войсками (яп. 連合国軍占領下の日本 Рэнго:кокугун сэнрё:ка но Нихон)Occupation du Japon일본의 군정기Besatzungszeit in Japan (англ. Japan under Allied Occupation) проходила с 1945 по 1952 год после капитуляции страны во Второй мировой войне.

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